2019-02
歯磨きのタイミングとは
昨今、政治や事件の側面を部分で切り取ってはさまざまな情報があふれかえり、正しいことや全体像が見えにくくなってきています。
歯科の分野でも同じようなことが起きていて、ネットニュースでの情報や口コミ、情報番組などで沢山の情報を集められる便利な世の中になりました。
しかし、このところ、歯磨きのタイミングについてお問い合わせを頂くことが増えています。
食後すぐに磨かない方が良い、とか、朝起きたら磨かなくてはいけないとか、食後3分以内に磨くのだとか。
一体いつ磨いたらいいのですか?と聞かれます。
そもそも歯磨きができそうなタイミングにはどんな時間が思い浮かびますか?
朝起きてお口の中が気持ち悪いとき。これは寝ている間に細菌が増殖したために不快な環境になっているからです。寝ている間は唾液の分泌が減るので細菌が口腔内にとどまりやすく体温で増殖してしまっているからです。
ほかには食後すぐのタイミングですね。食器と同じように使ったら=食べたら磨くということ。食べかすをえさにしている細菌にとってえさがやってくる時間は絶好の繁殖のチャンス。
細菌が食事をして酸性の老廃物を出せば当然お口の中は酸性に傾き、歯が溶けやすくなりますね。
食後すぐにお口が酸性に傾いているときに、歯ブラシの刺激を防ぐため、食後30分は磨かないという考え方もあります。
そのほかには就寝前。寝ている間の細菌増殖を最低限にするため寝る前のお掃除に力を入れるのですね。
また人と会う前のエチケットとして、気になったときに。
などなどわかりやすくいえばこんなタイミングで歯磨きをすることができるでしょう。
さぁ、どれが正しいと思いますか?
正解は。どれも間違っていないのだといえるでしょう。
どの説にもメリット、デメリットがあるのです。どれは違う、ということはないのだと思います。
ただ、全部をしようとすると一日中口の中の環境にとらわれることになり、疲れてしまうでしょう。
この中から、自分に合うタイミングを選んでいけば良いのだといえます。
お口の中が再石灰化するのを30分待っているつもりが、歯磨きを忘れてしまったり、なるべく実行しようとして傷つけてしまったり、そもそも口腔ケアに飽きてしまったりしては元も子もありません。
この情報過多の昨今では、正しいタイミングを自分のお口の状況にあてはめて選択し、続けること。これがまず必要なことなのではないでしょうか。
かかりつけの歯科医や歯科衛生士さんがお口の中をみて判断した方法は病気の治療方法と同じです。同じ人もいれば少し違うことを指導、治療されることもあるでしょう。
一長一短であったり、どれもきちんと裏付けがとれているものもあります。
素人考えで情報に惑わされず、自分の口の中にはどの方法で何回、いつ磨くのか、ということをきちんと専門家に相談してみましょう。
人形町の笠原歯科では随時ご相談も受け付けています。