デンタルニュース

飲料に含まれる糖分の話

甘いものがやめられなくて…
とおっしゃる患者さんは少なくありません。
甘いものは食べないんですが・・・という方のお口に多くの虫歯があることもあります。
実はそんな方の生活習慣をうかがうと実は飲料に含まれる糖分を見落としていることがあるんです。

砂糖は悪。歯科従事者は甘いものを食べません。
なんてことはありません!

甘いものをがまんしてストレスで歯ぎしりをしたりくいしばりを癖にしてしまうくらいなら、甘いものを食べたっていいと思います。

ただ、その甘いものを摂取する方法。ここに虫歯になりにくい人とそうでない人の差が隠れているのです。

仕事中、パソコンに向かって朝から夜までなんとなくデスクに炭酸飲料や砂糖入りの紅茶やコーヒーを置いている人と、お水を置いている人、どちらが虫歯になりやすいかは、字を見るよりも明らかだと思います。
そうです。お水を飲んでいる人の方が虫歯になりませんね。

nomimono

さぁ、三時に美味しいチョコレートケーキを食べる習慣がある人と朝から夜までダラダラとジュースを飲む人、この比較はどうでしょう。
答えはチョコレートケーキを三時に食べる人の方が虫歯になりにくいと言えます。

そこには何の差があると思いますか?

お口の中が虫歯になりやすい状態でどのくらいの時間いるか、ということなんです。
三食のご飯のあとに、チョコレートを食べて、一切間食や甘い飲み物を飲まないというひとは、
三度の食事の後に関しては、虫歯になりやすいタイミングを迎えます。
しかし、そのあと唾液の緩衝作用といって、唾液がお口の中を虫歯ができにくい状態にまで戻していく働きがありますので、そうなるとお口は虫歯になりにくい状態に戻っていきます。

しかし、ジュースや砂糖入りのコーヒー、キャンディなどをなんとなく、数時間おきにもぐもぐしている人はそのたびに口の中が虫歯になりやすい状態にひきもどされてしまい、その感覚が短ければ。短いほど、お口の中のリスクがずっと継続されているような状態になるのです。

甘いものを食べてもいいですよ、とアドバイスすることもあります。
しかし、その時にはなるべく歯を磨いて、そのあと数時間はジュースを含め、糖分のあるものを控えてくださいね、とお話しします。

時々、理解を深めていただくために4グラムの角砂糖が嗜好品の中にどれだけ含まれているかお伝えすることがあります。

キシリトールガムには、角砂糖に充当する糖分はありません。
しかし、缶コーヒーには角砂糖約3個分、スポーツドリンクには4~8個分程度、炭酸飲料には15個分、ミルクティにも8個程度に相当する糖分が含まれることが分かっています。
もちろん、商品によって若干の差はありますが、糖度計というものでその糖分を図ることができるので、おおよそそれくらいの砂糖を摂取していると考えていただくといいと思います。

いたずらに恐怖をあおるわけではないのですが、その飲み方に気をつけていただきたいと思います。

2015-05-07 | Posted in デンタルニュースComments Closed